πとeの話―数の不思議

  • 青土社 (2008年9月25日発売)
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本棚登録 : 94
感想 : 11
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 一見、当然無限大に発散していってしまいそうな様々な無限級数が、実はある値に、それも円周率であったりネイピア数e(一般には馴染みが少ないがこちらも数学や物理で重要な定数)の絡んだきれいな値にまとまってしまうというのだから面白い。
 たかが数字の羅列では済まない、数式の持つ美しさをながめてこの世界を記述する数学の奥深さや神秘を感じてもらおうという数式の美術展のような本。
 かつて数学が嫌いだった人たちに向けて書かれてはいるが、数式の証明も易しく巻末に添えられているので、数学好きも楽しめる。ただし、整数の逆二乗級数の和についてのオイラーの証明や逆三角関数のテイラー展開のように高校生教育課程レベルではやや難しい証明も数題含まれてはいる。必要な公式も巻末に併せて書かれているしそれほど難解な式操作でもないので、挑戦してみるのも面白いかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 理学書
感想投稿日 : 2011年9月28日
読了日 : 2011年9月28日
本棚登録日 : 2011年8月31日

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