9.11をアメリカのネットがどのように取り上げていったのか、またそれを調べるために著者がどんなふうにGoogleを活用したのか、について触れられている本。ついでに言うと、鎮魂のために捧げられた多くの詩があったことも紹介されてます。
が、9.11から10年以上も経ち、この本が出た当時は画期的なツールだったのであろうGoogleがここまで日常生活に浸透した今となっては、特に新鮮な驚きや知識が得られるわけでもありません。刊行されたのは事件から3年後の2004年10月で「ネット上の報道の動き」を俯瞰するには好いタイミングだったのかもしれませんが、2014年に読むべきものではないですね。
そもそもネット上で検索できた情報を時系列で並べただけ(のように見える)この本の作りを考えると、何も岩波ではなくても好かったのではないか?という気もします。光文社とかも得意なジャンルではないかと思いますが。
いずれにせよ、岩波にしてはちょっと肩透かしの内容だったかな、という感じです。ただ先述したとおり、この手の「発生時期的にピンポイントな旬ネタ」を扱った文庫本を、刊行から10年過ぎて評するということ自体に無理はありますね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国際
- 感想投稿日 : 2014年5月21日
- 読了日 : 2014年5月16日
- 本棚登録日 : 2014年5月21日
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