この著者の本は、脱力したい時やなーんも考えずに世界中の色んなことをざっくり耳に入れておきたい時にはうってつけなので、好きな部類に入ります。
この本も、著者の趣味であるシュノーケリングで出会った海の変な生きものについて、特に学術的な深みを追及することもなく、ただただ「こんな生きものを見た」というレポートだけで終始しているので、肩の力を抜いてさっくり読めます。途中にちょいちょい出てくる、ヘタウマな生きもののイラストも良い味出してます。相変わらずのタマキング節も冴えてますが、文章の面白さなら『東南アジア四次元日記』や『わたしの旅に何をする。』のほうが洗練されているかもしれません。
ちょっとだけ真面目なことを書くと、全編を通じて「サンゴが死滅している」という描写が目につきます。海水温が高くなるとサンゴは死ぬらしいので、シュノーケルで潜るぐらいの浅い海のサンゴは温暖化の影響をまともに受けてしまっているのかもしれません。
著者が頑なに拒否しているダイビングで潜れるような深いところのサンゴは生きているかもしれないと思うと、ダイビングに比べて軽視されがち(だと著者は思っている)なシュノーケリングの世界でのサンゴが、見過ごされて後戻りできなくなってしまうのではないかという不安もちょっとだけ頭をよぎりました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
娯楽
- 感想投稿日 : 2012年11月18日
- 読了日 : 2012年11月18日
- 本棚登録日 : 2012年11月18日
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