検事の本懐 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2018年7月24日発売)
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本棚登録 : 2391
感想 : 187
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★5 自分に厳しく他人に優しくっ 当たり前でも難しいことをやり切る主人公が鬼カッコイイ! #検事の本懐

前作より遡る検事時代の主人公、佐方貞人。連続放火魔事件や主人公の友人や家族にまつわる事件など、涙なしでは読めない短編5編が収録されたミステリー、佐方貞人シリーズの第2弾。

毎回のことですが、柚月先生が描く男性はカッコイイ!まさに男が憧れる男です!
筋を通すことを重んじ、弱きを助け、頭脳も明晰、そしてなんといっても心が強い。何一つ、できてないわー。自分ができるのは、猫に優しくするくらいかしら。

今回は主人公が検事として5つの事件に関わっていきます。
短編にもかかわらず背景となる登場人物もしっかりキャラ付けができてるし、抱えている人生の濃厚度がえぐい。しかもストーリーの濃淡のつけ具合が絶妙でバランスもバッチシです。さらに5編どれもバラエティに富んでるし、終章に向かってどんどん盛り上がってくるし、マジで文句つけようがないんすよねぇ

どれも短編も面白いんですが特に、「拳を握る」「本懐を知る」の2編は強烈。普通に泣きましたよ… 他の作品も綺麗でいい話ばっかりで、かみしめながら読ませていただきました。

いつも柚月先生の物語を読むと「どんなつらいことや困難なことがあっても屈するな」ということを教えられます。
当たり前のことを当たり前にやるだけの人生がどれだけ困難でも、少なくとも胸を張って、まっすぐ歩くようにしたいですね。

ど真ん中ガチンコのリーガルミステリー、胸に突き刺さる傑作でした。おすすめです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2022年6月30日
読了日 : 2022年6月30日
本棚登録日 : 2022年6月30日

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