香港警察東京分室

著者 :
  • 小学館 (2023年4月21日発売)
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本棚登録 : 644
感想 : 101
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鬼★5 日本と香港の警察官たちの乱舞! 知力・腕力・政治力・連携力で解決せよ! #香港警察東京分室

■きっと読みたくなるレビュー
こりゃ面白い!★5
エンタメ性が素晴らしく、次々迫りくるバラエティ豊富なアクション、中国VS日本、人間性と人間性のぶつかり合い、そしてザ・警察小説です。

どれも推せる要素ばっかりなのですが、私がイチ推ししたいのは登場人物たちですね。熱意と過去の思いが強く、知的だけど単純で、やたら警察官としての正義感に溢れている。見た目も中身も超派手で、わかりやすいんですよね。

誰がそうなの?って、全員ですよ、全員。

メインの中国、日本の警察官メンバーは10人いますが、全員ド派手です。昔のTVドラマだったら、あぶない刑事、太陽にほえろに出てきた刑事みたい。刑事同士のやり取りや会話も面白いし、このメンバーだけで何話でも読めちゃいそう。

ちなみに私の推しメンは水越管理官です。利発な女性は大好きなんですよ~、しかも見た目と中身のギャップ萌えですよ。完全に惚れた。

そんな彼らが国も揺るしかねない事件で大暴れするんですが、これがまた鬼スゴなアクションで魅了してくれる。めっっっっちゃ、カッコイイの!

文字でアクションなんて、伝わるの?と、思っているのであれば、それは間違いです。迫りくる敵と命を差し違えるギリギリの戦い。ぜひ文字の世界で体験してほしい。しかもアクションの場面もメンバーも戦い方もバラエティに富んでるし、プロットもよくできてるのよ。

そして警察小説としても読み手の面白どころがわかってらっしゃる。
日本の官僚体質や中国の隠蔽体質のツボをついた展開で、どんどんハイテンションになってきて読む手が止まらなくなる。ストーリーとしても胃にドスンとくるほど重厚感もたっぷりで、読み応えも真相も強烈。

問題提起もいいなぁ~ 平和ボケの日本人に、しっかりと命題を突きつけてきます。政治的にも社会的にも、今の自分がどれだけ安寧な生活が日々暮らせているのか。よくよく考えさせられましたね。

機龍警察シリーズで有名な月村先生ですが、本作も代表作になるようなバッチシな出来です。ぜひシリーズ化してほしい、期待しています!

■ぜっさん推しポイント
本作は素晴らしいセンテンスがめっちゃ多くて、何度も何度もナイフで胸を刺されました。文章が圧倒的に「強い」んです。これだけハッキリ言ってくれると気持ちいいですね。

以下本文引用:
・今の若者は「損をする」ということを本能的に避けたがる
めっちゃわかる、自分自身もそうです。
短期的や局所的には正解なことも多いですが、人生すべてをトータルで考えると、果てしてそうでしょうか。

・日本の偉い人は一度決めたことは変更しない。間違ってると分かっていても変更しない。人が死んでも変更しない。
間違った結果がでたら、すぐ原因調べて、次の行動を起こせばいいじゃねーか。間違うことより遅いことのほうが悪手ってことに、いつ気が付くのでしょうか。

他にも痺れるフレーズがいっぱいありますよ。いやー面白い作品でした!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察小説
感想投稿日 : 2023年6月26日
読了日 : 2023年6月25日
本棚登録日 : 2023年6月25日

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コメント 2件

松子さんのコメント
2023/07/04

あきさん、こんばんは!
この本、手元にあるんですけど、まだ読んでいなくて。
あきさんのレビューで、読むのが凄く楽しみになりました!いつも読みたくなるレビューありがとうございます(^^)

autumn522akiさんのコメント
2023/07/05

松子さん、こんばんわ~
いつも褒めていただいて嬉しいです、ありがとう。

この本はシンプルに面白いし、ぜったい読む価値がありますよ、うんうん
楽しんでくださいね!

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