最後のトリック (河出文庫 ふ 10-1)

著者 :
  • 河出書房新社 (2014年10月7日発売)
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読者が犯人? 読んでるあなたが犯人になっちゃう! 驚天動地なトリックを体験しよう #最後のトリック

■あらすじ
小説の創作に不振を喘いでいたミステリー作家に一通の手紙が届く。なんと「読者が犯人」を可能とするトリックを高額で売りたいという内容だった。
当初は疑心暗鬼の彼だったが、そのうち彼の手紙を待ちわびることとなり…

■レビュー
面白いですね、よく小説として成立させました!
トリック一発だけなのでは…と若干不安でしたが、ところがどっこいお話としても丁寧で読みごたえがあります。
プロットや登場人物などの枠組み、構成がすごく上手い、あっぱれです。

特に大好きなのは主人公の人間性ですね。
気持ちわかるなぁ~ 自分も同じ立場だったら、いろんな人に相談したり、言い訳を考えつつ期待しちゃいそう。見てはいけないけど、気になる!みたいな。ちらっちらっ

そしてなんといっても「読者が犯人」というトリック。
フェアで納得性も高く、小手先でのトリックではありません。発想力に完敗です。

一体どんなトリックなんだ?と気になる方は、ぜひ読んでみてください。
ホントにあなたが犯人になりますよ。

■推しポイント
やっぱり作者の本格ミステリーへのこだわりが好き。
正直ミステリーファン以外には、単なる滑稽な作品と一蹴されてしまうかもしれません。

しかしながらミステリーファンには分かる。
長きにわたるミステリーの作品史をいくつも紐解き、難題に挑戦するという意気込み。このトリックで物語を成立させようとしたミステリー愛。そして若干の強引さも愛嬌。

ファンに楽しんでいただこうという意気込みが感じられる素敵な作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2022年11月7日
読了日 : 2022年11月5日
本棚登録日 : 2022年11月5日

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