たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)

著者 :
  • 東京創元社 (2020年5月29日発売)
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本棚登録 : 1854
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暗い時代背景の中でも爽やかな男女学生たちが大活躍! 戦後混乱期の本格ミステリー #たかが殺人じゃないか

戦後すぐからのアニメ脚本や数々のドラマ脚本を手掛けてきた大御所作家の作品。御年80代後半で現役って、マジ凄すぎる。

しかもこの年齢とは思えないほどポップで爽やかなでき映え、それでいて重厚感や作品としての存在感がキッチリあります。戦後独特の世界観や価値観の中でも、高校生たちやりとりが小気味よくて楽しいっ

またその時代の文化や背景も良く伝わってきました。スマホ世代にはなかなか書けない小説ですよね。この時代ならではのお話、たびたび出てくるエピソードは、戦争を知らない世代には強烈な印象を残してくれます。タイトルも秀逸で読後感も素晴らしかったです。

そして自分にとっては、時代は違えど青春を名古屋で過ごしてきたので、親しみのある地名や街並みがでてきて感慨深かった。自分の場合は平成ではありましたが、仲間達との思い出が頭をめぐり、自らの20代を懐かしむことができました。

本作、謎解き要素は2つありますが、後半の2つ目は良くできた内容で、丁寧に考えれば糸口はつかむことができます。ただ1つ目は正直厳しいですね。できればもう少しロジカルで納得性のあるトリックだとさらに良かったです。

まもなく本シリーズの最新作が出るようですが、まったくもってスゴイ。いつまでもお元気で、若い者には負けない迫力で、作品を届けてほしいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本格ミステリー
感想投稿日 : 2022年5月17日
読了日 : 2022年5月15日
本棚登録日 : 2022年5月15日

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