「アメリ」「エイリアン4」のジャン・ピエール・ジュネ監督作品。
ジュネはハリーポッターのオファーを断り、この「ミックマック」を製作したというウワサも。
フランスとか、イタリアとかヨーロッパの映画は、
映像にアーティスティックに飾るあまり、セリフ・脚本が万人受けしないことから
ちょっと避ける人も多いと思う。
しかしこの「ミックマック」は、よく見るとどのカットも凝っているが、
決してそこに気を取られることもなく映画自体を楽しむことができた。
その理由の1つとしてはキャラクターの面白さがある。
主人公バジルが、迷い込む「秘密基地」には数学オタクや発明オタク、
体を180度曲げれる軟体女など超絶な個性をもった人々。
しかも、みんな愛らしい笑顔でかわいい。
「アダムス・ファミリー」なんかを思い起こしたが、ちょっと違う。
みんな大人だからかな?
敵である軍事会社も銃弾製造会社も社長同士が同じ時間に
エビを食っていた(違う方法で!)シーンのセンスには脱帽。
もう1つはテンポのよさ。
最初のお父さんが地雷で死んじゃうときも、
自分の頭に銃弾を受ける時も、シリアスな場面なはずなのに、小気味よくてクスってなってまう。
これぞ、ブラック・コメディ。
爆風でエロティックな日めくりカレンダーがペラペラめくれるのは
後世に残したい名シーンだね。
とはいえ、2回目を観る方には是非、ストーリーではなく、
映像の魔術師・ジュネの細部へのこだわりを堪能してほしい。
いちいちかっこいいから。
- 感想投稿日 : 2013年2月26日
- 読了日 : 2013年2月24日
- 本棚登録日 : 2013年2月24日
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