日本文学には、百年以上も読み継がれている名作がある。名作の本当の面白さをことばの壁をこえて体験できるよう、読みやすい現代語を使って、原文の意味をできる限りそのままに、作品を甦らせるシリーズ。
「政夫が中学生の時、病気がちな母親を手伝うため、二つ年上の従姉・民子が、家に同居していた。政夫と民子は、幼い頃から大の仲良しだった。しかし、世間体を気にする大人たちに二人の仲を注意され、かえって互いを異性として意識しはじめる。ある秋の日、野菊の咲く道で二人は淡い恋心を伝え合う。」
『高校図書館デイズ』(成田康子著 ちくまプリマ―新書)にて女子高生がこの本について語っているのを読んでよみたくなった。
「『野菊の墓』(伊藤左千夫)はじいちゃんがすすめてくれた。とてもきれい、という印象だった。悲恋なのに、妙にスーッとする。「民さんは、野菊のようだ」と野菊を手に持って、恥じらってやりとりしているのが見えるようで、そして、最後の場面は動きや風景が浮かんで、今でも忘れられない。湧き上がってくるような感情を思い出す。きれいに世界が閉じている。ライトノベルとの違いって、こんなところにあるように思う。」(高2)(『高校図書館デイズ』 p18)
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カテゴリ:
古典を知る
- 感想投稿日 : 2023年4月12日
- 本棚登録日 : 2023年4月12日
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