言葉の園のお菓子番 森に行く夢 (だいわ文庫)

  • 大和書房 (2022年8月10日発売)
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本棚登録 : 465
感想 : 38
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シリーズ第三弾。

連句会「ひとつばたご」に通う一葉を主人公に描かれる、ハートウォーミング連作六編が収録されています。

今回も新たな出会いがあり、作家の柚子さんや詩人の優さんを始め、レギュラーメンバーで歌人の久子さんの教え子の方々が、連句会「ひとつばたご」に初参加メンバーとして登場します。
そして、柚子さんとの出会いをきっかけに、一葉が働いているブックカフェ〈あずきブックス〉にて、少女マンガのイベントが開催される展開になったりと、毎回ながら“ご縁”が素敵な繋がりを見せてくれます(まさに連句のようですね)。
そのイベントへの布石的な流れで、作中に少女マンガの作品名が数々出てくるのですが、『動物のお医者さん』は私もコミックスを全巻持っていたので懐かしかったです。
相変わらず、連句のルールはムズいのですが、言葉を選んで季節や感情を表現し、それを皆で繋げて創り上げて(巻いて)いく連句の世界って感性が磨かれていきそうで、そこに魅力を感じますね。
主人公の一葉は〈あずきブックス〉でのイベントの司会も上手くいき、副業のポップ制作も順調のようで何よりですし、連句に関しても向上心が見受けられてその成長が好ましいです。
「ひとつばたご」のメンバーが皆いい人ばかりなので、その和やかな雰囲気が伝わってきて、読んでいてほっこりします。
できれば“お菓子”もご相伴にあずかりたいところなのですけどねw・・・因みに、前巻で治子お祖母ちゃんの“定番”お菓子が一周したこともあってか、この巻では、新たなお菓子も登場して、特に完全予約制の「越後屋若狭」の水ようかんには“めっちゃ美味しそう!一体どんな味なんかな~?”と、大いにそそられました。

今後、一葉がどのように進んでいくのか(“捌き”にチャレンジする時が・・?)、またどんなご縁や広がりが待っているのか・・そして、どんなお菓子が登場するのか楽しみにしております~。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2024年読了分
感想投稿日 : 2024年4月9日
読了日 : 2024年4月9日
本棚登録日 : 2024年4月9日

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