([ほ]4-3)活版印刷三日月堂 庭のアルバム (ポプラ文庫)

  • ポプラ社 (2017年12月5日発売)
4.23
  • (156)
  • (192)
  • (55)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 1405
感想 : 132
4

シリーズ第三弾。

今回も各話、ええ話でじんわりと心に染み入ってきます。
第二話「カナコの歌」の扉が、活版で印刷された短歌の写真なのですが、その味わい深さにやっぱり“紙に印刷”っていいよねー・・と、このペーパーレスといわれているご時世に逆行の思いを抱いた次第です。
その短歌がこちら(作中に出てきます)
<あの夏は愛するものもまだなくてひこうき雲に憧れていた>
BGMにユーミンの「ひこうき雲」を流すと、歌詞の“あの子の命はひこうき雲・・・”と、第二話の話の内容とリンクしてジワるを通り越して泣けてきます。
人の想いの温かさや切なさ。それを表現する言葉(ことの葉)の美しさを活字を通して実感できるって素敵だなぁ、としみじみ。
そして話は、三日月堂に置かれているものの、動かすことができなかった“平台”と呼ばれる機械が、盛岡の老舗印刷会社の方の協力を得て、いよいよ動くかも・・という展開になってきています。
三日月堂の今後の経営がどういう方向にいくのか、次巻が楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年読了分
感想投稿日 : 2021年4月28日
読了日 : 2021年4月28日
本棚登録日 : 2021年4月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする