シリーズ第三弾。
今回も各話、ええ話でじんわりと心に染み入ってきます。
第二話「カナコの歌」の扉が、活版で印刷された短歌の写真なのですが、その味わい深さにやっぱり“紙に印刷”っていいよねー・・と、このペーパーレスといわれているご時世に逆行の思いを抱いた次第です。
その短歌がこちら(作中に出てきます)
<あの夏は愛するものもまだなくてひこうき雲に憧れていた>
BGMにユーミンの「ひこうき雲」を流すと、歌詞の“あの子の命はひこうき雲・・・”と、第二話の話の内容とリンクしてジワるを通り越して泣けてきます。
人の想いの温かさや切なさ。それを表現する言葉(ことの葉)の美しさを活字を通して実感できるって素敵だなぁ、としみじみ。
そして話は、三日月堂に置かれているものの、動かすことができなかった“平台”と呼ばれる機械が、盛岡の老舗印刷会社の方の協力を得て、いよいよ動くかも・・という展開になってきています。
三日月堂の今後の経営がどういう方向にいくのか、次巻が楽しみです。
読書状況:読み終わった
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2021年読了分
- 感想投稿日 : 2021年4月28日
- 読了日 : 2021年4月28日
- 本棚登録日 : 2021年4月28日
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