おそらく「虐待」とか「子供の貧困」か何かで検索をして引っかかった本。出版も去年の11月ということで、読んでみた。
虐待を受けて「根っこ」(287頁)をうまくはることができなかった子供たちは、本文から分かる行動だけを見ていると、まさに「動物」である。常に怒声や痛みの恐怖に怯え、感情をシャットアウトして自分を守るのである(=「解離」かな?)。
そのような環境で育ってきた子供たちは、体はどうやって洗うのか、お箸はどう持てばいいのか、といった「日常生活」をどのように送ればいいかを全く知らない。そのようなことから一つ一つできるようにさせていくことが里親の仕事(の一つ)になる。
さらに重大なのは、これが連鎖することである。虐待を受けた子が親になって、自分で子供を育てようとすると、フラッシュバックに悩まされ、やはり自分の子を虐待してしまうという。
解決策を模索せずにはいられないけれども、特効薬のようなものは思いつかず、少しずつ知っていき、ゆっくり対処する、というありきたりのことしか思いつかない自分が悔しくなる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会学
- 感想投稿日 : 2014年4月26日
- 読了日 : 2014年4月26日
- 本棚登録日 : 2014年4月26日
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