グーグーだって猫である1 (角川文庫 お 25-1)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2008年6月25日発売)
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本棚登録 : 473
感想 : 54
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 大好きな穂村弘のエッセイでたびたび語られる大島弓子氏。自費出版した最初の歌集、『シンジケート』の帯コメントを彼女に頼みたく、吉祥寺のアパートを探し歩いたというのは有名な話。2018年こそはと、気になっていたこの一冊をようやく手に取った。読めばなるほど、どうしてほむほむの琴線に触れたのかがよおく分かったし、私の琴線もビンビンに反応した。

 長年連れ添ったサバの死後、喪失感の中家に迎えたアメリカンショートヘアのグーグー。そして、その後傷だらけのところを保護したビー。ふたりの猫との愛らしいあったかい日々は、猫好きなら目を細めて読むことウケアイ。一緒に暮らす猫への慈しみの気持ちは、身に覚えがありすぎる。

 耳元でレタスをシャリシャリ食べる音と、顔に当たるこそばいヒゲ。
 寝てる間に顔にジャンプされて傷を作っても、その愛らしい介護姿に悶絶すること(結論:北枕は体に悪い)。
 人間の風邪は猫に移らないと知りつつも、猫といっしょに寝る習慣を悔いること。
 どれも愛おしくてあったかい気持ち。まっすぐな気持ちをまっすぐに絵と文章に表すことができる、しかも力が抜けている、これこそ天賦の才というものなんだろうなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・対談集
感想投稿日 : 2018年1月2日
読了日 : 2018年1月2日
本棚登録日 : 2018年1月2日

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