チア男子!!

著者 :
  • 集英社 (2010年10月5日発売)
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感想 : 284
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 号泣です。号泣です。感動しました。素敵でした。

 三点倒立もできない私にとって、彼らの技のすべてがもはや神技。人の手のひらや肩の上に乗るなんて・・・その技を完成させるためには、やはり練習が必要で。
 彼らが基本の「倒立」から始まって、「ロンダード」、「バク転」「バク宙」に至り、徐々に技術を高めて「スコーピオン」を完成させた時は「やったー!!」と声をあげたほど。

 しかし、あの「反省ノート」。アレを最後に回し読みしますか、高城コーチ。なんという、鬼の所業だ。でも、アレが泣ける。号泣です。号泣です。

 サクの「変わりたい」、尚志の「怖い」、金の「恩返し」、卓也卓巳の「がむしゃらって、ほんとはかっこいいはずなんだ」。
 トンの自分の容姿を強みに変えた心境の変化、イチローと弦がわだかまりを憧れに変えた変化、そして、一馬と晴希がお互いをライバルだと認識し、家族のようにかけがえのない存在だと認識する気づき。
 ハル視点では、知ることのできなかったみんなの視点をノートを通して知って、もう、号泣です。号泣です。

 敵がいないスポーツ、自分も観客も笑顔にできる、そんな競技「チアリーディング」。
 トス隊が晴希を上げるときの掛け声
 「行け!!」
 という声が、私にも聞こえた気がした。私にいわれているような気がした。
 すごい、すごい。楽しい、楽しい。
 チアリーディングを生で見た人が感じる感情を、私も同じように感じられる作品でした。
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 朝井リョウ
感想投稿日 : 2013年2月11日
読了日 : 2013年2月11日
本棚登録日 : 2013年2月11日

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コメント 2件

bandit250fさんのコメント
2013/06/05

ayakooさん、読みましたよ~。(こればっかり)
「桐島、部活やめるってよ」はあっさりとした日常を描いた話だったと思いますが、(実は印象薄い)いつの間にこんなに熱い話を書くようになったんでしょう。「最後の儀式」反省ノート廻し読みは盛り上がりましたね~。『カズに勝つ』がこんなところで生きてくるとは!それぞれの個性溢れるノートが一層涙を誘いました。他の作品も読まなきゃ!

HNGSKさんのコメント
2013/06/06

bandit250fさん >>読みましたか読みましたか。春希と一馬は、最後までお互いを意識しあってましたね。素敵だ。親友だ。
一番いいこと書いてたのが、卓也卓巳だというところは、まあ、よしとします・・・

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