残り全部バケーション

著者 :
  • 集英社 (2012年12月5日発売)
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本棚登録 : 6886
感想 : 948
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 記念すべき、100冊目の登録。

 伊坂さんの作品は、どれもこれも教訓にあふれている。得体の知れないキャラが取る不可解な行動には、必ず筋の通った信念がある。


 裏家業コンビ、溝口と岡田。

 「相手が辛そうにしてるのを見るのって、あんまり楽しくない」という理由で、足を洗おうとする岡田。
 
 「人をだますには真実とか事実ではなく、真実っぽさが重要」だとの岡田の信念に基づき、ボスである毒島をだまして、岡田のかたきをとろうとする溝口。


 全五章からなる作品のうち、前の四章で取られる彼らの行動や発言が、すべてラストの章の伏線になっている。見事としか言いようがない。


 飛んでも八分、歩いて十分、メールは一瞬。だとしても飛べるなら飛ぶべきか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伊坂幸太郎
感想投稿日 : 2013年3月6日
読了日 : 2013年2月13日
本棚登録日 : 2013年3月6日

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コメント 2件

bandit250fさんのコメント
2013/05/27

PKは訳わからんかったけど、本作は綺麗に伏線が収まったね。但し各章毎の面白さは「バイバイ、ブラックバード」の勝ちかな?ラストの余韻はいい勝負。どっちなの?エンジンかかったの?焼肉なの?いつもホンマにけったいな設定を考える人。堪能しました。

HNGSKさんのコメント
2013/05/27

bandit250fさん>確かに確かに。
「バイバイブラックバード」の繭美と星野の掛け合いの面白かったことといったら!!
 私はエンジンはかかったと思いますし、ちゃらん、と鳴ったメールは焼肉屋ではなかったと思います。

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