思い出のマーニー〈下〉 (岩波少年文庫)

  • 岩波書店 (2003年7月16日発売)
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本棚登録 : 673
感想 : 77
5

なんてなんて素敵な物語だろう!

夢とも空想ともつかず、ふわふわと不安定な霧の中で
見えない足元に気をとられるように
進んでいく物語にドキドキしながら、
最後は霧がパーっと晴れるように
閉じた空間は明るい光の中に晒されて
溢れるような祝福に包まれる。

子供の頃の心の中の内側と外側。

みんなと同じでも、みんなと違う部分があっても、
今も未来も恐れずに1つ1つゆっくりと受け止めて
大切に真っ直ぐに進んでいってほしい。

一人でも多くの子供の心の心が辿りつく未来の場所が
辛かったことも幸せに塗り替えてくれるような
そんな温かい素敵な場所だといいな。

子供たちの幸せな未来への祈りと、
誰もが通り過ぎる自分の中でもがく時間に
エールを込めて贈りたい。
そんな切なくて優しくてあったかい、
誰にでもある心のいつか居た場所の物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ■ 読了本
感想投稿日 : 2014年4月26日
読了日 : 2014年4月26日
本棚登録日 : 2014年4月26日

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コメント 4件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2014/04/28

「子供の頃の心の中の内側と外側。」
少女の思いと鮮やかな風景を丁寧に描写して素晴らしい、、、
子どもと係わる仕事をする人には必読の書ですね。
そうでなくても、子どもが大人に不信感を抱くコトがないようにするためにも、多くの人に。

nejidonさんのコメント
2014/04/30

こんにちは♪
この本、読まれたのですね!
作品よりもあやさんのレビューの方がもっと素敵なような(笑)
同じものを読んでもひとりひとり感じ方が違うんだなぁと、つくづくそう思います。
ともあれ、アニメ化されることで、作品の本来の良さがいっそうひきたつと良いなぁと思いますね。
登場する大人たちがみんな善人だらけで、でもそれがなかなか主人公には伝わらないのが、いかにもこの子らしくて。
私は特に養母の存在が好きでした。

山本 あやさんのコメント
2014/05/09

猫丸さん♡

不安定さと現実と空想のあわいの感じと、
ほんとに絶妙のさじ加減で描かれていて
すごいなぁと唸ってしまいました。

真っ直ぐに愛情を疑わず成長していける
サポートが大人はできるといいですよね[^-^]

山本 あやさんのコメント
2014/05/09

nejidonさん♡

こんにちは~[*Ü*]

やややっ、拙いレビューにありがとうございますっ!

マーニーのゆらゆらと揺れる気持ちや
空想のキラキラした世界と実際の緑のさわさわと騒ぐ感じや
水辺の素敵さは、ジブリなら素敵な色、音、世界として
目の前に広げてくれるんだろうなぁとドキドキです♡

養母の不器用ながらもいっぱいの愛情、
ほんとに素敵ですよねっ[^-^]

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