運命の女の子 (アフタヌーンKC)

  • 講談社 (2014年8月22日発売)
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本棚登録 : 1084
感想 : 70

どうしてもヤマシタトモコは昔の方がよく練られていておもしろかったなと思ってしまう。
いまはとにかく自分が好きなものを雰囲気で描いている印象。
なので、作品としていいとか悪いとかじゃなく、自分と趣味が合うか合わないかってだけなんだろう。

「無敵」は、個人的には気持ち悪くするならもっともっと気持ち悪くしてほしい。
現実で起きたこういう事件や犯人のほうがずっと気持ち悪い。なぜならそれが現実だから。自分と同じはずの人間がそんな気味の悪い恐ろしいことをしているという怖さがあるから。
これは演出がフィクションっぽすぎるせいで気持ち悪さや怖さが失われているような気がする。
もっと刑事さんの目線に寄り添えるような書かれ方だったらもっともっと不気味で怖かったかも。

きみはスターはけっこう好きだった。
描写が丁寧で好きです。モノローグを吟味する楽しさがある作品。
「自分に無関心だから好き」というのは、決して成り立つことがなくて、それを公子ちゃんがわかっているところもいい。星は落ちてこないから星なのだ、っていうモノローグの通り。お互い落ちてきたらだめなんだな。
それから、「人の役に立ちたい」と言ってた女の子が「カイくんみたいな才能のある人に好かれてた…今は本人も才能にあふれてるそんな人のそばにいられるんだもの」とか言っちゃうのもすごく良い。
それとエルファバは確かに公子ちゃんだな。

3作目は設定設定また設定、って感じで、まあ特にどの人も魅力的ではないし、そんな人が何を思っていても、ふーんって感じだった。
こういう設定を思いついたんだな、って感じだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年8月27日
読了日 : 2014年8月27日
本棚登録日 : 2014年8月27日

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