はなとゆめ (単行本)

著者 :
  • 角川書店 (2013年11月7日発売)
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本棚登録 : 2265
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卒論も終わり高校生ぶりに再読。
改めて読むと色々と時期が違くないか?と思う点がちらほらあることを発見。高校生の頃より枕の知識がついていることに個人的に喜びを覚える。
一番気になったのは清少納言の里居。「道長側」と疑われての里居、時期が長くないか?作者は翌年の春説に従ってるのかな。
あと、跋文と山吹が送られてきた時の経房の官位が異なるから、山吹の前に草稿が流布したと出てきて驚いたし、斉信が則光に居場所を教えるよう迫った話はこの里居を終えてからの里居だと思うから、そうきたかとこれまた驚いた。山吹→紙と畳の下賜→跋文の順かなと思っていたので、ありえるのかは置いといて作者の説も面白いなとは思った。
清少納言の長徳の変後の長期的な里居は、未だに問題点が非常に多いようなので、首を傾げてしまうところがいくつかあった。参考文献が少ないから、なるほど仕方ないかと思ったけれど、忠実に書くには、集成と全集だけじゃなくて大系も目を通すべきだろうし、解環や論文も見なきゃ書けないと思う。それほど枕って難しい作品だと思う。その分とっても面白いんだよね。今読むと違うなーって思うところもあるんだけど、この本に出会ったから枕をより好きになったのは事実。出会えてよかった一冊。
清少納言って本当に素晴らしい才能を持った、鋭敏で感受性豊かな女性だ。作者の清少納言像と少し異なるみたいで、清少納言の語り口が少し気になった。ここまでプライド高くないと思う(笑)それも含めて星二つで。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年12月28日
読了日 : 2013年12月19日
本棚登録日 : 2013年11月10日

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