欧米と日本の読書技術の指導、とりわけ国語の授業においての違いは顕著である。
欧米は、「テクストの分析と解釈、批評」(クリティカルリーディング)に向けて幼児の頃からシステマティックに技術を積み上げていく。根拠に基づく論理的な読解。作家や画家は意味もなく人物を登場させたり場所を設定したり、動物を描いたりすることはない。作品は全て緻密な計算の上に構築されている。
ドイツの例 ゲーテ『ファウスト』高校生3年 一冊の本を議論しながら分析するための定員は20名が限度。15名以下が理想。教師による矢継ぎ早の畳みかけるような問いかけと生徒達の発言で構成される。90分。生徒は集中が切れることなく、議論に参加し、傾聴し、挙手する一方でメモを取る。教師はキーワードを板書するだけ。その後、3時間に及ぶ記述式の試験。
生徒はテクストについて自分の考えを根拠に基づいて論理的に論述することが求められる。
「知識と技能は言葉を超えて理解に繋がる」
絵の分析『星月夜』ゴッホ
全体像から細部へ再び全体へ(仮説を立て、分析証明)
テーマ(主題)
設定(場所、季節、天気、時間、時代背景など)
人物(動物、もの)
象徴
色彩色調
タッチ
構図
プロットとストーリー
諸事件の叙述
プロットはなぜか?因果関係
作家の仕事は物語中で発生する問題を構成上最も強い緊張感を生み出す順序に配列すること。
ストーリーはそれからどうした?時間的順序
ラ・フォンテーヌ『牝獅子の葬式』
小林秀雄『人形』
マリールイーゼ『静かな家』
ビクセル『サンサルバドル』
- 感想投稿日 : 2021年8月14日
- 読了日 : 2021年8月14日
- 本棚登録日 : 2021年8月14日
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