意味の深みへ: 東洋哲学の水位 (岩波文庫 青 185-4)

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  • 岩波書店 (2019年3月16日発売)
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コトバが本来持つ力とその便利さ故の危険性を再認識しました。現代人が意識していない言葉の力を、昔の人は体得していました。

現代人の態度=自分や世界を個別の存在と信じて疑わない
しかし東洋では、それは表層的意識であり、より深層に真の「自己」を探った

・表層意識=世界の事物は固形的物質的個別的

・深層意識の手前=固形物の輪郭が溶けはじめ、元型(天使や精霊など)が世界に現れる

・深層意識=流動的創造的に結び繋がっている。「縁起」「混沌」「事事無礙法界」「カオス」

・深層より更に深く=全ては「無」から生じる。この境地で日常世界を見ると、全ては事物ではなく(無が自己を分節して現れる際の)イベント、プロセスとして映る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月7日
読了日 : 2022年2月7日
本棚登録日 : 2021年12月27日

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