YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors (YA! ENTERTAINMENT)

  • 講談社 (2023年5月17日発売)
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本棚登録 : 138
感想 : 16
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ジェンダーフリーをテーマにした短編集。作家が豪華なのと、挿絵や表紙を描いた鎌谷悠希による8ページのマンガから始まるという、子どもが手に取りやすい作りになっている。内容もおもしろかったし、テーマ的にも小中図書館に配架して欲しい本だと思った。
「Peony 」鎌谷悠希
鼻が利くまるくんが席替えで僕の後ろになった。そんな日に限って、僕はこっそり母さんのシャンプーを使っていたんだ。
「女子校か共学か。それが問題だ!」小林深雪
隣の家の翔太が好きな鈴。私立の超難関女子中に受かってしまい、しかも女子校が肌に合って最高な毎日。そんな時に受験失敗して私立共学に通う翔太から、中学で好きな人が出来たと告白されて…。
「チョコレートの香りがするね」にかいどう青
アユはとある事情からあまり人と関わらず図書準備室にいることが多い。そこにはアユの少ない友人ミッコが会いに来てくれる。ミッコは最近付き合い始めた吉村くんがキスしたそうなんだよねーと話始め…。ミッコが大好きでこっそり持ち歩いているマーブルチョコが上手く使われ、甘酸っぱい想いが書かれます。
「チキンとプラム」長谷川まりる
うちの父さんは料理もするし、朗らかでとっても良いお父さんさんだと思うけど、私に対する性的な会話や行動(お風呂に入ってこようとしたりとか)がとにかく嫌。そんな時にクラスでいまいちなじめなかったみやびと高架下の公園で出会ってお互い家族に対する悩みあることを知る。
「いわないふたり」如月かずさ
私と北条さんはこっそり付き合ってる。それは世間でレズビアンと言われる関係だから。中三の修学旅行前にお互いの"世間に公表したい、したくない”という思いのズレから、ぎすぎすした状態になる。
「羽つきスキップ」水野瑠見
中学になってなんだかこれまで仲の良かった男女がくっきり別れた状態になり、男子のエロ話にもついていけない
僕。しかも女子が落としたナプキンをティッシュと思って拾って渡してしまい、最悪の事態に。
このお話、個人的にスゴく好きでした。男前な主人公だった。こんな弟なら欲しいなぁ。
「いつかアニワの灯台に」菅野雪虫
中高一貫女子校に通う栞は地味。地味カッコいい安珠と仲良くなりたい。安珠は一軍女子咲留と親戚でよく関わっている。あることをきっかけに栞は安珠の家に誘われ、彼女の秘密や咲留との真の関係性、安珠がアニワに行きたがる訳などを知っていく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書室
感想投稿日 : 2023年8月7日
読了日 : 2023年7月31日
本棚登録日 : 2023年7月31日

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