ふう、と息を吐いてから、読んでいる間息を止めていたことに気づく。びっくりした。宮下さんの本を探していて、これならありますと差し出されて偶然借りた本だった。ちょっとした息抜きにと思って読み始めた。実際は、文字を目で追うごとに真剣なまなざしになっていった。宮下奈都という人の人生にぴったりと寄り添ったエッセイ集。自分をよく見せようとか、面白おかしく語ろうとか、そういうのじゃ全然なかった。全部この人の本音だと分かったから、何度も泣きそうになった。エッセイとエッセイの間に挟まれている掌編小説は良すぎて言葉にすらならない。
p232
いい小説には問いがある、といわれる。答ではない。読みながら、感じ、考え、見つけるのは問いだ。
p383
今が、そしてこれからいちばんいいときだと信じて人は生きる。そうじゃなきゃ、つらい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2017年11月19日
- 読了日 : 2017年11月19日
- 本棚登録日 : 2017年11月10日
みんなの感想をみる