乃里子三部作の最終巻。
晴れて刑務所を「出所」し、シングルに戻った乃里子が羽を伸ばして幸せを謳歌しているところから物語は始まる。
もともとおしゃべりな乃里子はこの最終巻でかなりの饒舌になっており、読んでいるとだんだん疲れてくる笑
また、乃里子が同性である女性の魅力に開眼したこともあり、まるで女子会でのマシンガントークを一冊に収めたよう。
ちょこちょこ男友達が出てくるが、いずれもじっくりとクローズアップされることはなく、今回はかなり男の影が薄い。
元旦那・剛との再会、友人の死など、事件は起こるものの、全体的には特に起伏がないまま物語が終わってしまった印象。
一部と二部が強烈だったからかな?笑
剛はあいかわらずムカつく男だけど、最後に乃里子の間に友情が芽生えて少しホッとした。私だったら一生顔も見たくないと思うだろうけど、乃里子のように、瞬間瞬間の感情を大切にして、思い出も大切にして、という風に気長に人と付き合えば(優しすぎるだけ、優柔不断なだけ、とも言えるけど…)、この二人のように新しい関係が生まれたりするのかな。
思いがけずラストには「独身女性の最期」というとても重いテーマが待ち受けていた…。乃里子はこれでまたひとつ、人間として女として成長したんだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・詩・短歌
- 感想投稿日 : 2013年7月25日
- 読了日 : 2013年7月23日
- 本棚登録日 : 2013年7月24日
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