前作の『masato』がとても良かったし、デビュー作の『さようなら、オレンジ』も良かった。だから、きっとこれも良いだろうと、読む前から疑いもしなかったのだが。
いや~、外れました。はじめの説明会の場面が長いな、つまらないな、ここで挫折してしまう人もいるかもな、と思いつつ、やっとショーンの話に入りホッとするが、思いの外中途半端。別れた母の話をもう少し突っ込むかな?と思ったが、あっさりスルー。半分過ぎていきなり主人公交代。結局、どれも中途半端。
まあ、主人公たちが小学生だし、たった一週間、ホームステイは三日間の話だから、何か深いことを書くのはむずかしいかもしれないが。
これもまあ、本人の心もホストファミリーの心もよく書けてないとは言えないが、共感するには足りないものが多すぎた。
『masato』で、この作者は児童文学に向いているかもと思ったし、『masato』は児童文学として読めなくもなかったが、これは、子どもにも大人にもターゲットを絞れず、どっち付かずになってしまった。
異文化に放り込まれた子どもがよく書けていたから、逆パターンで出版社から依頼されたのかもしれないが、同じテーマで三作。もうそろそろ違う視点で書いてみてはと思わずにはいられない。
装丁もちょっとうるさい。見返しにあれだけ絵があるなら、表紙はもっとすっきりしていた方が良かった。装丁はどちらかと言うと子ども向けのようでもあり、作り手もターゲットを絞りかねたような感じ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月18日
- 読了日 : 2017年11月18日
- 本棚登録日 : 2017年11月18日
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