椎名誠は結構読んだが、これはあまりに評判良く、しかも売れたため読まなくてもいいか、と放っていた。ヒットから30年経って読むと、これが何故あんなにヒットしたのかよくわからない。
特に面白くないし、文章がいいわけでもない。
こういう親子が当時は珍しかったから?
椎名誠の人気が高まっていて、私生活を知りたい人がたくさんいたから?
今読むと、岳くんの人生にとってこの本はなかった方が良かったんじゃないかと思わずにはいられない。
もちろん、当時の本人に了解をとって書いたのだろうし、日本の純文学はほとんど私小説なんだし、『ママぽよ』みたいな漫画だって子供の本名を書いていたし、と椎名誠を庇ってやりたくはなるが、タイトルが本名というのは、やっぱりどう考えても可哀想だ。
更に、今読むと、共働きなのに、自分は冒険三昧(仕事ではあるが)、日々の家事育児は妻任せの上、自分の仲間を自宅にしょっちゅう連れてくる、夫としてどうなの?と思う。
豪快な面白い人というイメージで売れたから、それをキープするために頑張ったのかもしれないが、それは家族のために良かったのだろうか。
老境に入った椎名誠に、今どう思っているかきいてみたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年4月19日
- 読了日 : 2015年4月19日
- 本棚登録日 : 2015年4月19日
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