雲上雲下(うんじょううんげ) (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店 (2018年2月16日発売)
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本棚登録 : 547
感想 : 76
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昔話を知らない人には凄く面白いのでは。
知ってる人にはどうだろう。あまりリアルに語っては昔話の良さが薄れてしまう気もする。龍の子太郎は表紙になっているだけあって面白かった。昔話をまるでファンタジー大作みたいにしてあった。恋愛要素もあるし。
つつじの娘はほぼまんまで、丸木俊の絵を思い出した。あれと『ほうちょかけたか』はホントに怖かったなあと思い出す。
猿の生き肝は、くらげ骨無しになるから面白いんで、ちょっと作りすぎと思った。
昔話自体に力があるので、面白くて当然なのである。
現代の風刺と希望を残したところがオリジナル。
しかし、読み聞かせは大事って、若い親もやってる人が多いけど、昔話を耳から聞くってことは本当に減ってしまった。私も本で読んだ方が多い。が、語りを聞いた時の経験は忘れがたい。特にその土地の人がその土地の言葉で語るのを聞いた時の衝撃は。
そういう体験の重要性をこの本が気付かせてくれるのではないかと期待する。
ジブリとかがアニメにしてくれないかな。

昔話はもっと知られるべきだし、語りの文化を絶やさない努力をしなければと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年12月23日
読了日 : 2018年12月23日
本棚登録日 : 2018年12月23日

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