伊藤比呂美の本はほとんど読んだけど、これはなんだかつまらなさそうな気がして読んでいなかった。
だって青少年向けの本で教師の厭らしさばかりを書くわけにいかないし、立派な先生と出会って充実した学校生活を送っていた、なんて知りたくないし。
が、意外と良かった。
伊藤比呂美の現在の作品を読んで、古典文学と随分幸せな出会い方をしたんだろうな、と思っていたので、いい古典の先生が実際にいたことは驚かなかったけど、いい先生も「すごく立派」というほどではなく、欠点もあるし、教える内容も(受験なんかを考えれば)偏ってるし、何より、あんまり良くない先生もきちんと描いているのがいい。
良くないといってもたいしたことなくて、普通に今もそこいらにいるレベル。
こういう普通の日本の公立の教育を受けても、伊藤比呂美のような才能はつぶれないから、『氷の海のガレオン』なんか読んじゃって共感してるような人は読んだ方がいいと思うよ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年12月11日
- 読了日 : 2012年12月10日
- 本棚登録日 : 2012年12月11日
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