読んでいて疑問がふつふつと。
少年がなぜ死者と会話したり、死後の世界を見たりすることができるのか。もちろん、持病があり、父が死んだばかりなので、死が身近にあったわけだが、それでも死者すら詳細を知らない「悪夢の道」をはっきりと見ただけでなく、そこにいるものを救済すらしている。
女の幽霊の、死後も現世に留まる理由が今一つ納得できない。娘を殺した訳ではないのだから、死んだら最愛の娘と一緒にいるのが幸せだろう。
結末が、とってつけたような印象。初めに聞いた幽霊の謎めいた言葉の謎解きもなく、最後に無理矢理辻褄を合わせた感じ。
まあ、キリスト教的な因果応報の天国・地獄ではなく、悪いことをしていなくても地獄の様なところにおちてしまうという設定は面白いのだが、そうするとどうしてもそこに堕ちた人を救わないと物語として収まらず、そこをまとめるために無理な結末になってしまった。
子どもにはホラーとして楽しめるかもしれないが、名作とは言えないし、別に子どもに薦める必要も感じない。
ウェストールの『禁じられた約束』や『かかし』の方がゴーストものとしては出来もいいし、読み応えもあるし、人間がよく描けていると思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年10月7日
- 読了日 : 2017年10月7日
- 本棚登録日 : 2017年10月7日
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