タゴール著作集 (第1巻) 詩集1

  • 第三文明社 (1981年5月1日発売)
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感想 : 1
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グロリア・ウィーランの『家なき鳥』に出てくる詩を読みたくて図書館で借りた。
若かりし頃のタゴールの写真に思わず魅入ってしまった。

「渡り飛ぶ白鳥」片山敏彦/訳 
(1)〜(45)の長い詩だ。
詩の冒頭からぐっと心を掴まれた。

うす明かりの中にきらめいて 
一本の弧形の剣のような 
うねりながれるジムラ川が
暗やみの中へ 溶けこむ。
昼の光の退潮につれて 夜の暗さが満潮になり
おびただしい星の花々を はこんで来て
暗さの水の上に それらの花々はうかぶ。

そして(1)の最後に主人公コリーが気に入った
"鳥の群れが昼も夜も空を飛んでいく姿"をえがいた詩の数行が現れる。
群れのなかに一羽、帰る家のない鳥がいる。
いつもちがう場所にむかって飛んでいく。
コリーは自分が置かれている現状をこの鳥に重ね合わせたのだと思った。

インドの詩人タゴールの豊かな感性に圧倒された
もう一つの詩は
「新月」高良とみ、高良留美子/訳 の中の
「あかちゃんの やりかた」

それにはわけがあるのです・・
心地良い調べに乗せて、あかちゃんからの言葉が
お母さんに手渡される。

あかちゃんが ほんとうに 
たよりない様子を みせるのは
おかあさまの 愛のたからを
もらいたいからなのです。

母親になったばかりの全ての女性にこの詩を読んでほしいと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年4月25日
読了日 : 2022年4月25日
本棚登録日 : 2022年4月25日

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