まるまるの毬

著者 :
  • 講談社 (2014年6月25日発売)
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感想 : 140
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1.感想 
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時代小説は苦手なんですが、おじいちゃんと孫むすめという関係で面白そうな作品ということで、手に取りました。

和菓子職人のおじいちゃんと、その娘と、孫の3人が中心のお話ですが、なかなかに読み応えがあって、面白かったです。
昔の人は、人と人の繋がりが重いな〜というのが印象です。その重さが時代小説が苦手な理由の一つなんだろうな〜というのがわかった作品でした。

この作品で登場するおじいちゃんは、とてもかっこいい人でした。やはり、かっこいいおじいちゃんは、優しい!甘くはないのに、優しさを感じられることが、かっこいいおじいちゃんの条件ですね、きっと。
なかなかに渋い感じが伝わってきました。

いろんな和菓子、洋菓子が登場して、いろんなところに旅行に行きたくなりました。先月、久留米にいったばかりだったので、久留米が頻繁に登場した時に,土地のイメージがあったのが、また、よかったです。
久留米以外にも登場する土地は馴染みあるところばかりだったので、今と昔をイメージして、別の角度で楽しめました。


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2.あらすじ 
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地方を練り歩き、いろんなお菓子の知識がある治兵衛。
その治兵衛と、家族の物語。
昔ながらの多くのしがらみが家族の人生に大きく影響して、先の見えない展開が続きます。
水戸黄門の印籠が、お菓子になったようなストーリー?(笑)

■登場する菓子
カステラ
鯨餅 山形
若みどり
よりみ滝
梅ヶ枝餅 
鶯餅
生涯糖
松風

先月、太宰府天満宮で、梅ヶ枝餅を食べたばかりなので、これも笑えました。

■恋のお話
いい言葉♪

色恋なぞ所詮、一時の気の迷いだ。
歳を経たいまなら、そう断言することもできる。
しかしその一時一瞬が、本物の輝きを放つことがある。


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3.主な登場人物 
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麹町 南星屋(なんぼしや) 菓子店

治兵衛 主、お君祖父、妻はお永が子どもの頃に他界
お君 16歳
お永 お君の母、夫とは別れている
修蔵 お君の父
五郎 石海、こっかい、坊主、治兵衛弟

河路金吾 平戸藩松浦家の家臣
稲川翠之介 同心の子ども、10歳
おいま 17歳、お君の友だち

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月23日
読了日 : 2023年4月23日
本棚登録日 : 2023年4月23日

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