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1.感想
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いや〜、すごいよかった!
わたしにとっては、すごい影響力でした。
そして、すごい泣けてきます。
おじいちゃんと娘という組み合わせは、わたしには、とても突き刺さることが今作品でよくわかりました。「エミリの小さな包丁」と同じように、おじいちゃんの温かさが感じられて、「男はこうなっていくべきだな像」が、はっきりと形成されました(^-^)
すごい、好きな作品でした。
今回の作品も不登校の女の子が主人公で、すぐお腹の調子が悪くなる子なので、「かがみの孤城」に続いて、またか…という感じでした。ほんと、不登校関連をよく手にしています。
不登校のお話は、自分ならそうはならないという視点で捉えてしまうんですが、今までと違って、考え方が少し変わる作品でした。
学校に行くことが必須ではないことは理解しているつもりでしたが、より、どう生きていきたいのかに視点を向けなければいけないことを意識させられる感覚でした。おじいちゃんの言葉が、とてもよいフォローになっていて、その言葉や、見えているものに、とても優しさを感じました。
この作品は、みんなが逃げています。
みんなが逃げて、そこから、また、立ち上がっていきます。そんな姿にとてと感動させられました。
わたしの子どもの周りにも不登校の子はいました。小学4年生から、中学3年まで、当たり前のようにいました。その学校には、いじめがあるような環境ではない認識でしたが、本人がどう受け止めているかはわからないです。
「一度、逃げたらダメだ。またすぐ逃げるようになるから」とは、よく口にするセリフです。子どもを育てる中で、「逃げるな」は、ほんと頭によく浮かんできます。
では、自分はどうだったかと、久々に振り返ってみると、25歳のときに逃げるように会社を辞めて、4ヶ月ぐらい、自営業をしていた父の作業場にいって、裁断前の布を掛ける作業を黙々としていたのを思い出しました。
わたしも物をつくることは好きだったので、物語の主人公には憧れる部分もありました。
逃げる場所が必要なんですね、きっと。
何度逃げることになったとしても、また進んでいけるように、考えていくことが大切ですね。
【へこみとは、逆から見れば突出した場所だ。】
【大事なもののための我慢は自分を磨く。ただ、つらいだけの我慢は命が削られていくだけだ。】
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2.あらすじ
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学校でのイジメが原因で不登校になる美緒。
子どもの頃から大好きなホームスパンを母に捨てられたことをきっかけにして家を飛び出します。
家を飛び出して向かった先は、父方の祖父が営む染織工房の山崎工藝舎(こうげいしゃ)。
そこで数年ぶりに再会する祖父との生活が始まります。
オモウ 汚毛
スカード 機械で洗われた毛
ホーム(家)、スパン(紡ぐ)
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3.主な登場人物
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山崎美緒 高校生
山崎真紀 美緒の母
山崎広志 美緒の父
山崎紘治郎 美緒の祖父
※紘は人名用感じだって
山崎香代 美緒の祖母
川北太一 広志のいとこの息子
川北裕子 太一の母、
- 感想投稿日 : 2023年2月23日
- 読了日 : 2023年2月23日
- 本棚登録日 : 2023年2月23日
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