歴史認識や思想ベースの差の問題は当然あるとしても、むのたけじの言葉は、そうそう見逃せないものであるはずだ。
まず「戦争は良くない」という。戦争はみんながみんなおかしくなるからだ。人間が精神的に極限まで追いつめられることで、普段だったら常識的にありえないことまでしでかしてしまう。
例えば家族が「戦地ではどうだったか」というふうに聞いても、多くの元兵士たちが口をつぐんでしまう。家族に云えないようなことをもしでかしてしまうのが「戦争」である。
かといってデモなんぞ無力で、それだったら事前に「戦争によって生じるうまみをどうやって無くすか」が問題である。戦争によって産まれるうまみを知ってしまった社会主義国家なんぞ偽物である、と。
この辺りをベースとして、色々書いてあります。
読んでいるうちに、なにかとてつもなく大きな怪物が横を通り過ぎていった感触。
怪物の仕事、一言で云えば、そういうことだと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ルポルタージュ
- 感想投稿日 : 2013年7月4日
- 読了日 : 2013年7月4日
- 本棚登録日 : 2013年7月4日
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