森世先生の『ロマンティック上等』の展開が気になり過ぎて真っ先にこの作品を探して読んでしまいました。
感想は…うん、思ってたほど悪い結末じゃなくて安心しました。
最後には次継と計の間に無事子供も産まれた(多分?)みたいだし、ラストは一応、ハッピーエンドなんですが……。
まぁ、計が望まぬ相手と番になってしまった以上、手放しに喜べるはずもなく、やっぱり多少の切なさと後味の悪さは残りますね……。
“αに噛まれたくらいでこうなっちゃうんだ
相手がβだろうがΩだろうが関係なく好きなのに
好きになれるのに”
好きなのに、番じゃないってだけで体が勝手に拒絶するって辛いよなぁ…。
どんなに自分からセックスを望んでも、いざ触られると拒絶反応を起こしてしまう
計の台詞が凄く切なくて、心にグサッと刺さりましたね……。
しかも嘔吐しながらも行為を望む計がまた健気で…!あーもう辛い!辛過ぎる!!
番だけが全てじゃないし、まさに“愛する自由は誰にも奪えない”って感じのお話でしたが、やっぱり駅人と番にだけはなってほしくなかったよーー!!!(泣)
それでもオメガバースプロジェクトの中で一番面白かった作品は何かと聞かれたら、私は『ロマンティック上等』を挙げるかと思います。
正直、最初はそうでもなかったですが、まさかこんな結末になるなんて思ってもみなかったですし、特に中盤以降の展開の仕方が上手くて、最終的には目が離せなくなっていましたね。本当に、お見事でした。
もう一度読み直すのは辛いですが、コミックスが出たら買ってしまうかも…。
『ロマンティック上等』の事ばかり書いてしまいましたが、同じくらい結末が気になっていたyoha先生の『さよなら恋人またきて友だち』も面白かったです。
誰も不幸にならず、ラストは正真正銘のハッピーエンドで心の底から安心しました…。
このお話は1話の時点からずっと剣呑な雰囲気がどこかしらに漂っていて、幸せな結末が全く想像出来ない程ヒヤヒヤさせられっぱなしだったので…(笑)
コミックスが出るなら買ってもう一度最初から読み直したいですね。
あとは『蛇のセイカツ』の意外な真相に「あれは伏線だったのか…」と驚かされたぐらいで、他の作品は概ね予想通り、後読感の良い終わり方で満足です。
結末に多少、納得いかない作品もありますが、そういった作品を含めても買い続けて良かったと思えるお話ばかりで非常に読み応えのあるシリーズでした。
装丁は勿論、yoco先生の手掛ける表紙イラストも毎回素晴らしかったですし、これがシリーズ最終巻だと思うと物悲しさすら感じます。
もっとオメガバースという設定が世に広がり、オメガバース関連のBL書籍が増えてくれたらファンとしては嬉しいですね(笑)
- 感想投稿日 : 2015年9月4日
- 読了日 : 2015年9月4日
- 本棚登録日 : 2015年9月4日
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