欲望する脳 (集英社新書 418G)

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  • 集英社 (2007年11月16日発売)
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感想 : 53
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この本を読んで、茂木氏のテレビで見せる顔とは違う学者としての一面を強く感じた。また芸術についてとても熱く語る箇所がいくつかあり新鮮な思いを抱いた。

孔子の論語を脳科学的に読み解くことがメインテーマなのだが、そこから派生して語られる「生と死」「芸術と脳」などの話も大変興味深く読むことができた。

脳の快楽を感じると反応する部分が学習をすることで刺激されるというのは、人間の脳の優秀さを物語っているなと思った。自分の脳に常に快楽を与え続けて脳の潜在能力を少しでも多く引き出すことにチャレンジしようと思う。


★心に響いた言葉

節度を身につけているかどうかは、ある人間の価値を決定づける分水嶺である

ある人の価値は、何よりも、その人がどれくらい自分自身から開放されているかということによって決まる(アルベルト・アインシュタイン)

音楽を聞いた至高の感動も、基本的には食べ物や水、セックスのように生きるために必要な報酬に対する脳活動と同じ

人間の脳は自らが置かれた文脈に合わせてその働きを調整する、驚くべき能力を持っている

下流に属する若者の間で、「自分らしく」という価値観に共鳴する割合が多く、ニートの若者にむしろ起業意欲が高い傾向がある

夢には、昼間意識的に生きている時に蓄積されていった歪みを解消するという意味がある

人間の知性はいつまで経っても終わることのない終末開放性をその特徴としています。だから、たとえ遺伝子によってかなりの部分が決まっていたとしても、実際的な意味では決まっていないのと同じ

人間ほど不確実性への適応メカニズムを進化させた動物は存在しない

私のような人間にとっては、人生で実際に何が起きたかというよりも、何を考えてきたかということの方が重要なのです(アルベルト・アインシュタイン)

人は不可能なことに真摯に向き合った分、大きくなれる

人生において自分の欲望が実現するということは、多くの場合他人の欲望の実現の可能性が消滅することを意味する

ドーパミンはサプライズを好むように設計されている

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2009年7月5日
読了日 : 2009年7月5日
本棚登録日 : 2009年7月5日

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