肝心の勉強についての記述は少ない気はするが、興味深い点は多々あった。
特に日本の男性性と女性性の倒置について。
男性性を「論理」、女性性を「情緒」と簡単に割り切ってしまうと、日本は明らかに女性性(情緒)の強い社会だ。
作者はこれまで日本で「男らしさ」と思われていたものは単に男が女に甘やかされたうえにできた空中楼閣であると指摘する。
たしかに「デカダン」や「無頼」といえば男が一度は憧れる「男らしさ」の典型だが、日本文学では太宰治にしろ織田作之助にしろ、なんとも頼りない姿で描きだされる。「女に甘やかされ」ているというのはまさにその通りであるし。でも自堕落な男ほどモテるよね。
「世界に生じるほとんどの悪は、言語運用の間違いから生じている可能性があります。」というのもその通りと思う。
特に友達同士の話し合いの場においても「その場のノリ」や「なんとなく」といった情緒面が優先されることが多く、論理性の強化の必要性はよく分かる。
しかしながら…
社会的な生き物である人間が、こういった情緒過多の日本にいながらひとりだけ「論理的」に振る舞えるものだろうか? 「頭のかたいやつ」と思われるのが関の山じゃないだろか。
とかとか、興味が四散してしまった。
むしろ「日本の女」と「甘えの構造」について好奇心を掘り下げてみたほうが何か近づける気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
勉強法
- 感想投稿日 : 2013年1月17日
- 読了日 : 2013年1月10日
- 本棚登録日 : 2013年1月13日
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