下流の宴 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年1月4日発売)
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本棚登録 : 1669
感想 : 169
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 自分が上流であると思う主人公の母。決して努力をしないその息子。収入の高い相手との結婚のみを目指す娘。
 
 主人公である母親は息子の彼女を叱責してしまう。「あんたのような下流の家の出の娘はうちの息子にはふさわしくない。ウチは代々医者の家系」

 息子の彼女は努力の末医大への合格を果たす。しかし、息子は、「がんばった君に僕はふさわしくない」と別れを告げる。

 外資系金融機関勤務の男と結婚を果たすが、その男はうつ病を患い、実家に帰ってしまう。乳児を連れて娘は母親のもとに戻る。そして医大合格した交際相手と別れた息子は、マンガ喫茶の店員の給与では自活できず、彼も母親の元に戻る。

 下流から出ない若者。上昇志向のある若者。上流とは?下流とは?

 「私は何を間違えたのでしょうか」と母親が祖母に書く手紙で終わる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス以外の世界
感想投稿日 : 2023年2月18日
読了日 : 2023年2月18日
本棚登録日 : 2023年2月18日

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