宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 上 (文春文庫 ま 1-94)

著者 :
制作 : 宮部みゆき 
  • 文藝春秋 (2004年11月10日発売)
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感想 : 62
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よく音楽CDでは 「ベストセレクト…」を購入する。特にちょっと前の人気だった歌手がたくさん歌っているものは。要するにあまり聴き込んでいないからわからないのだ。だからおまかせ。

作家の短編集はどうだろうか。たいがいは書き溜めて出版されるのでそれを読む。たまに、作家自身の撰集というのもある。もれなく網羅してある全集もある。あるいは、編集者がいくつか選んでまとめ全集に収録してあるのもある。

松本清張氏は260篇も短編を書いたそうである。私はその内の100篇足らずしか読んでいない。清張氏の短編が大好きなのにである。これではファンとは言えない。

と、感想が興った『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短編コレクション』(上)を読了。
私にとっては、揺り起こしてくれた撰集ということか。

やはり、芥川賞受賞作品の『或る「小倉日記」伝』に思い入れがある。現在読み返してみると当時(30年位前)とても暗いイメージで胸に迫ったような記憶があったが、人生ってこんなものかもしれないとの感慨、清張氏の筆力に感嘆、驚異であった。ちなみに私はこの短編によって森鴎外の作品に興味を持ち、ほとんど読むことになった。

儲けものは『恐喝者』。もちろん初読んだが清張氏の犯罪ものの原点らしい。面白いし少しも古くないし安心して読める(構築がしっかりしていて、文章が落ち着いている)、といいことずくめ。認識新ただった。

*****

未読は『理外の理』『削除の復元』だった。

他は『一年半待て』『地方紙を買う女』『捜査圏外の条件』『真贋の森』『昭和史発掘―二・二六事件』『日本の黒い霧 追放とレッドパージ』

認識新たにした残りの未読160篇はどのようにしていつ読もうか、どうしようかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2005年
感想投稿日 : 2021年9月10日
読了日 : 2005年3月20日
本棚登録日 : 2021年9月10日

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