晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア 26)

著者 :
  • 東京創元社 (2006年9月30日発売)
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本棚登録 : 737
感想 : 165

サブタイトルに出張編と書かれてたので、本屋の仕事で出張かと思ったけど違って、『探偵業』の出張で笑えた。

今までこのシリーズを読むとシャーロック・ホームズを思い浮かべてた。でも今回は、依頼があって電車で目的地まで行ったりしてたから、ポアロとか金田一耕助が頭に浮かんでしまった。往年の名探偵ばかり出てきちゃう。

今回、本当の多絵ちゃんがわかってよかった。多絵ちゃんにとって杏子との出会いは、素晴らしいものだったんだと思い、少しジーンときた。

多絵ちゃんが聴き込みをしてる時に「誰かが嘘を言ってる」と言ってたので、注意深く読んだけど、結局最後の方まで真相がわからなくてちょっと悔しい。
小松秋郎の真実が分かった時は、なんとも言えない気持ちになってしまった。だから、何も言わなかったのかと思いせつなかった。


職場でよくある事なんだけど、最初からある件に関わっていると間違えに気付かないけど、全く関わってない人が見ると割とすぐに間違えに気付く事がある。この本はそれと一緒だなと思う。殺人事件から27年後に女子大生が、たった3日で事件解決に臨むという設定は少し無理があるのかな?と思ったけど、このシリーズなら許せてしまう。「成風堂」シリーズ、私は好きだな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年8月22日
読了日 : 2022年8月22日
本棚登録日 : 2022年8月22日

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