近代世界システム I: 農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立 (岩波モダンクラシックス)

  • 岩波書店 (2006年10月24日発売)
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歴史学者I,ウォーラーステインの著作
著者は資本主義の発生過程と成立を唯一のシステム、「近代世界システム」の発生と成立において説明している。

このシステムの成立していく中で、世界は中核、反辺境、辺境の三つの役割の中に追いやられていく。
その役割の違いはわずかな一歩の差によって、生まれて行く。

著者はこの世界に唯一存在するシステムが「資本主義的世界システム」であり、生産の余剰はその「世界システム」に再び再投資されることがかつて存在した「世界帝国」との大きな違いとしている。
なぜなら、「世界帝国」は生産の余剰をその「世界帝国」を構成する官僚制度などの維持に向けてしまうからだ。

この「世界システム論」はとても興味深く、現在社会の構造を理解するのに有益だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2012年5月1日
読了日 : 2012年4月25日
本棚登録日 : 2012年1月11日

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