武田信玄の軍師として著名ながら存在が疑問視される人物を、唯一の出典「甲陽軍鑑」から読み解くとともに、実存する信玄の手紙に出てくる山本管助が山本勘助かを検証する、ミステリの趣もある歴史本。資料の紹介と考察を交えた構成は海音寺潮五郎の「武将列伝」を愛読する自分の好みにあう。史伝作家を自任した海音寺は資料を通して生き方を見たけれど、研究者の手になるこちらは歴史事実を見ている印象。 傍証を列挙しながら読みやすく、築城・陣形・易学についても紙幅を割いているので、武田氏に限らず戦国時代に興味がある人にお勧め。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
戦国時代末期
- 感想投稿日 : 2015年3月3日
- 読了日 : 2015年3月3日
- 本棚登録日 : 2015年2月20日
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