逆説について考えさせられる。死に極限まで迫ることで生を体感する。あるいは俗を極めることで聖にたどり着く……ここで書かれている文章はそうした逆説的な要素の結晶体/アマルガムのように思われる。ゆえに一面的/表層的に読めばごくありふれたバワースポットとしての山々の話のようにも映るが、その内部には実に濃厚な世界の実相が潜んでいると見た。そして、この濃厚さはそのままこの作家の「狂い」を反映したもののようにも読める。静かに、だが激しく作家は書くことで狂気をドライブさせ、確実にこじらせていく。その迫力が確かに刻印される
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年12月16日
- 読了日 : 2022年12月16日
- 本棚登録日 : 2022年12月16日
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