この著者の文章はいつも、実に不思議な余韻を残す。強烈な「俺俺」的なエゴの暑苦しさがなく、淡白ではあるのだけれどそれでも「で?」と一蹴して済ませられない、何らかの誠実さ・切実さがあるように思われるのだ。それはいつもこちらの胸を打つ。ぶつ切りにされて並べられたこれらの日記(断片的なメモ)とエッセイからも、そんな著者の持ち味であるいい意味での感傷的態度/センチメンタリズムは健在だ。これを「で?」な文の羅列と読むのは、少なくともぼくにはせっかちすぎる。見落としがちな細部を拾い上げる腕は決してナメてはならないはずだ
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- 感想投稿日 : 2024年2月4日
- 読了日 : 2024年2月4日
- 本棚登録日 : 2024年2月4日
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