ハネムーン (中公文庫 よ 25-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2000年7月1日発売)
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本棚登録 : 2909
感想 : 207
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いいかもしれない。こんな暮らしも。
まなかの生き方が人間の本来あるべき暮らしであったらどんなにいいだろう。
庭の木の下に座り、何時間も何時間も空や虫や落ち葉を眺める。それだけで庭は世界のいろんなことを教えてくれる。

『ハネムーン』はその響きから連想される内容とはかけ離れたストーリーになっている。陰惨で奇怪とも言える内容を含んでいるのに何故だか暖かさは消えない。

どんな暗いとこにいても暖かい人と、自然があれば生きていけるんだろう。

『取り返しのつかないことはたくさんあるー取り返しがつかないことがいくらあっても生きていくしかないということだけを、人はいうことができる』

『世界はわたしがどうなろうとも、何とも思っていないけれど、世界はおもしろくて美しくて愛情みたいなものにあふれていて、なにがあるかわからなくて、その中で泳いでいるわたしは全然かわいそうなんかじゃないって思ったの』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年3月2日
読了日 : 2012年4月14日
本棚登録日 : 2012年4月14日

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