原発「危険神話」の崩壊 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所 (2012年2月15日発売)
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本棚登録 : 165
感想 : 22
3

東大出身で,某私立大学教授の人気ブロガーによる原発事故関連本.人気があるのもうなづける内容だと思ったが,個人的に同意できる部分とできない部分がはっきり別れた内容だったので★は3つとした.
例えば,「チェルノブイリ事故の直接の犠牲者として確認されたのは,事故から25年たった現在でも62人」,「プラント事故としては,飛び抜けて大きい規模ではない」と,ものは書きよう,考えようである.その通りという部分と首を傾げる文章が混在していたが,その振れ幅が
大きかった.4章,6章、7章の論旨は賛同できたが,前半の内容を考えると釈然としない感じもした..
児玉龍彦先生のチェルノブイリで膀胱癌が増えたは間違いとのことであるが,不勉強の人間には理由がわからないのでその理由を示して欲しかった.その他にも同様に感じた部分があった.
様々な考えがあることを理解できるが,比較にならないものを比較したり,すり替えがあったり,納得はできないものが多々あったのも事実.
「小児甲状腺癌はありふれた病気」という記載には,小児科医としては釣られたいところ(苦笑).
安冨先生の東大話法と合わせて読むと違った視点で読めるかもしれない.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原発関係
感想投稿日 : 2012年6月5日
読了日 : 2012年6月10日
本棚登録日 : 2012年2月19日

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