もしかすると数年ぶりに、寝る時間を忘れて読みふけってしまった。ゆるくつながる短編を並べていく形式が非常に成功している。どうにか作品世界の全体図を知りたいという思いでパズルのピースをはめるのに夢中になり、最後まではまらなかった第一章の位置が決まって物語が終わったときのカタルシスといったら!
小説を読むときは映像が浮かぶほうなのだけれど、自然に思い浮かべていた映像をまんまとひっくり返される流れがあり、そのことにもとても興奮した。ヒトという、異質な存在を受け入れるようにできていないかもしれない種の一個体であることを、あのような形で提示されるとは。小説というフォーマットと、それを自在にあやつる川上弘美の力に感動した。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2017年2月1日
- 読了日 : 2017年2月1日
- 本棚登録日 : 2017年2月1日
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