ページターナーだし問題提起はしている。けれど、「もしこうなったら」の部分が大雑把なので完全に入りこんでは読めなかったし、「これ小説でなくても良かったのでは」と思ってしまった。信心が薄くてもお見合いシステムがあった国の者としては特に。それに主人公の孤独はお嫁さんが来ても確実には癒やされないのでは? 駄目だったらこの人どうするんだろうか。
独りぼっちの辛さの表現はウエルベックらしく胸に迫るものがあったし、ヨーロッパの弱体化に対する危機感も伝わってきた。この読みやすさは作者の読者に届けたい意志の表れだとも思う。だからこそ、もっと緻密な小説にしてほしかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
フランス - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2015年9月22日
- 読了日 : 2015年9月22日
- 本棚登録日 : 2015年9月21日
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