昭和二、三十年代を強く感じさせる怪奇探偵小説のアンソロジー。「師匠の美人の娘にライバルが婿入りまたは娘と自分が恋愛関係にある」「俺のオンナ!放すものか!」のモチーフが何度も出てきてお腹がいっぱいに。昔の人は手近なところで間に合ったんだなあとか、俺なんかダメだみたいなためらいを小説では見せないんだなあとか、関係ないところに感心した。
面白かったのは赤沼三郎「人面師梅朱芳」と鮎川哲也「怪虫」。特に後者の芋虫パニック小説は怪獣エンタメとして無心に入り込んでしまった。自衛隊が出動するんだけど埒が明かなくて首相が糾弾されるとか、昔の水木しげるのようでくすりとさせられた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2014年3月26日
- 読了日 : 2014年3月25日
- 本棚登録日 : 2014年3月26日
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