質問型営業でアポ取り・訪問がラクになる アプローチは「質問」で突破する! (DO BOOKS)

著者 :
  • 同文館出版 (2013年7月5日発売)
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お客様は自身の欲求を自覚していないことが多く、営業マンから質問され、それに答えていく中で、次第に自分の欲求に気づいていくもの。

つまり、営業で大事なことは、お客様の欲求の明確化であって、営業マンの説明ではない。


ところが実際には、自分の話の内容で興味を持ってもらおうとする営業マンがたくさんいる。
これを「説明型営業」(または「説得営業」)とよんでいる。
これに対し、質問によってお客様の興味・関心を知り、それを聞きだした上で商品・サービスを提案する方法を「質問型営業」といいます。

90%の営業マンは、まだ「説明型営業」をしている。


POINT
営業マンはお客様の興味を「引く」のではなく、質問によって興味を「聞く」。


POINT
流暢に説明する必要はない。お客様に質問し、興味・関心を知った上で、その方向に沿って話を進めることが大切。

POINT
「お客様と仲良くなったら話を聞いてもらえる」というのは営業マンの思い込み。お客様には特定の欲求があり、役に立つかもしれないと思うから話を聞く。


POINT
営業力とは、「学習と訓練」。これさえやれば、誰にでも身につけることができて、そこから性格さえも効果的に改善できるようになる。


はじめて会うお客様との会話では、雑談よりもお客様に関する質問を重視すべき


営業マンとお客様との話をする比率は、2:8 が理想


POINT
アプローチでも重要なのは、お客様にしゃべってもらうこと。営業マンがまとめたり結論を話すのではなく、とにかくお客様にしゃべってもらうこと。


基本的に「質問は考えるな。ワンパターンでいけ」


お客様のお話を一心に聞いて、その奥にある本音まで読み取るぐらい真剣に聞きましょう。


アプローチでいかに欲求を聞くことができるかが、営業の成否を左右する。


人には、「自分の内側に見ているものを、外側に見る」という習性がある。

これは、自分が心の中で思っていることを、日常に見る。


「振り返り」の進め方

次の順番で書き出す
①その出来事や人との会話の状況を書き出します。
②それをあなたがどのように受け取ったか、その感じ方、思い方を素直に書き出します。
③よかったことは「なぜ、よかったのか」。よくなかったことは、「それによってどのような気付きをえたのか」を書き出します。
④このように書き出すことによって、その出来事、人との会話が自分にとってプラスになっていると受け取り、感謝を表明します。

良かった場合は、あらためて「本当に、よかった!」と受け止め直し、さらに、「このような機械を与えてくれたことに感謝します!△△さんありがとうございます」と感謝を表明します。そして、そのことができた自分にも感謝を表明します。
 よくなかった場合は「気づけて、本当によかった!」「本当によかった!」と受け止め直し、さらに「この学びの機械を与えてくれた△△さんに感謝します。△△さん、ありがとうございます」「改善のきっかけを与えてくれたこの出来事に感謝します。この□■、ありがとうございます」と感謝を表明します。そして、そのように学べた自分にも感謝を表明します。

なにげない質問から、お客様は自然と欲求を思い出していく。

住宅販売の営業マン「そういう中で、ご自宅については考えられますか?」
塾関係の営業マン「そういう中で、教育については考えられますか?」
保険・貯蓄関係の営業マン「そういう中で、資産形成などについては考えられますか?」
と質問すればいいのです。

ここで役立つのは「そういう中で」というまとめの言葉です。この一言を使って次の質問に結びつけます。

質問によって話を絞り込んでいく


「このような現状の中、もう少しーであったらなあということはありますか?」

POINT
第3段階の最後で、「①欲求実現に向けた気持ち」と「②実現に向けた行動についての気持ち」を問いただす。これこそが営業マンの真価を表す質問。

おおかた「時間」「お金」「興味・関心」の3種類に集約され、下記の言葉として返ってくる。

時間:「今、忙しいんで」「今、ばたばたしているから」
お金:「今のところは他にお金をかける余裕がないから」「いまは予算がないね」
興味・関心:「今のところ興味がないから」「そういうのは今のところいいよ」

この3つの断りの理由は、結局「メリットがあるかどうかわからない」という理由なる。

時間=時間をかけても、それを上回るメリットが得られるかどうかわからない
お金=お金をかけても、それ以上の利益が得られるかどうかがわからない
興味・関心を持っても、それ以上の満足が得られるかどうかがわからない。

POINT
お客様の「断り」の理由は、「メリットが感じられない」に収れんされる。それには、「必ずお役に立てるという自信」を持って堂々と立ち向かおう」


POINT
自分にとって難しいお客様に対処するには、営業の原点に立ち返ること。それは、相手がコミュニケーションをとれる人かどうかで判断する。


質問営業における「アプローチ即決クロージング」の方法

まず、「お客様は欲求が高まると購入する」というのが大原則。

それを踏まえた上で、
①まず、お客様の欲求を質問で引き出し、気づかせる。
②その欲求をさらに質問で明確にしてあげることで、欲求が強まる。
③そこで、その欲求を本当にかなえたいかを質問する。
④その欲求をかなえる方法があればやりたかを質問する
⑤お客様の欲求は最高潮に達し、営業マンが「それができるのです!」と言い切る

『ビジネスリーダーの「質問力」』(角川SSC新書)


コルブの経験学習モデル

①Concrete Experience(具体的な体験)

②Reflective Observation(内省的な観察)

③Abstract Conceptualiza(抽象的な概念化)

④Active Experimentation(積極的な実験)

     ①→②→③→④

①具体的な経験をする
②その内容を振り返って内省する
③そこから得られた教訓を抽象的な仮説や概念に落とし込む「ああー、そうか!」1回目の気づき
④③で得られたものを新たな状況を適用させて行動してみる「やっぱり、そうか!」2回目の気づき
(以降、①に戻ってサイクル化)

参考:『経験からの学習‐プロフェッショナルへの成長プロセス』松尾 睦著/同文館出版

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年10月30日
読了日 : 2021年7月2日
本棚登録日 : 2015年10月30日

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