なごりの月: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(二) (光文社文庫 な 43-3 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)

著者 :
  • 光文社 (2018年1月11日発売)
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本棚登録 : 210
感想 : 12

文章がやわらかくて優しい。読んでいてほっとした気持ちになるシリーズです。
新たな御菓子屋さんの落ち着いた美少女お文お嬢さんと伊佐の関係に小萩がヤキモキしたり、かつての奉公人がライバルとなって登場など盛り沢山の巻でした。
日本橋に戻る前に鎌倉で小萩の姉の婚礼がありました。
幼馴染の言葉は自分だったら水に流せることではないと思うのですが小萩は許すのですね。
小萩は度量が広い。
許せる人の方が人生豊かだとも思うし彼女は生き方上手なのかもしれません。
姉の婚礼が無事終わり小萩は菓子職人修業の為に日本橋へ戻って来られました。
本格的に厨房に入る修行ではなく家事を担ったり店先で販売を手伝ったりする合間にお菓子作りに参加する感じの修業のようです。
菓子修行だけに打ち込める男性と違い家事や細々とした日常を支えるアレコレを担わなければならない女性の立場が現代に通じることを考えてしまうともやっとしますが、明るく健気な小萩お嬢さんに癒される気持ちになります。
この巻でも御菓子対決があるのですが毎巻恒例になるのかな。個人的にはそれはイヤかも。対決はこの巻で終わりだといいな。
新たに登場した月下美人と称される地味美少女のお文お嬢さんがなんとも魅力的な娘さんでレギュラー化してくれるとうれしいです。
(適齢期の家業があり奉公にもでる必要のない家のお嬢さんが職人修業の道を選べる理由がふんわりなし崩し的(現代的?)なのですがそこはツッコミを入れてはいけないのだと思う。)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020年読了_本
感想投稿日 : 2020年10月30日
読了日 : 2020年10月30日
本棚登録日 : 2020年10月30日

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