「つらい気持ち」と「自殺」の間にはどのような違い、過程があるのか興味をもっていたときに見かけて読んだ本。
著者は医学部精神科教授、臨床心理学者であり、躁鬱病患者。
前半は、古今東西、それぞれの文化の中で自殺がどう捉えられていたかを博物学的にみていく(古くはギリシア・ローマ時代の英雄的名誉の自害など)。後半は、現代における自殺に焦点を当て、統計データから客観的に読み取れる自殺の実態や、個々人のストーリーが語られる。
個人的に、自殺に至る段階には、自殺の方法の検討や必要な道具の入手といった計画的な段階があるものだということが印象に残った。
考えてみると、行動の前に、その行動を起こすのに必要な道具の入手といった具体的な段階があるというのは、当たり前のことなのだが、最初にこの本を読んだ動機(「つらい気持ち」と「自殺」の間にあるものはなにか)の答えとして、本書のなかでいちばん明確になりそうなものだと思い、印象に残った。
というのも、いろいろと書かれている、他の兆候はもっとあやふやで気づきずらいもののように感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
Psychology
- 感想投稿日 : 2009年5月10日
- 読了日 : 2009年5月10日
- 本棚登録日 : 2009年5月10日
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